Sound Sketch #37 "あめのうみ" 制作メモ  最初はOeufs(うふ)の相方・伊藤さやかとのヴォイス・パフォーマンスの 試みから始まった。  音楽ライブのとき、伊藤さやかにヴォイス・インプロヴィゼーションをやっ てもらうべく、いくつかの単語を与えて、ピアノと声の自由な駆け引きをやっ てみたのが最初だ。そのとき、単語のなかに「あめ」「うみ」というものがあ った。伊藤さやかはそれを発展させ、なんとなくストーリーのようなものをこ しらえて、自由に歌っていた。  そのイメージを持ったまま、私は「あめのうみ」と題する詩のようなものを 書きあげた。  それを今度は、窪田涼子との朗読ライブ・パフォーマンスでやってみた。  さらに、2006年3月の現代朗読協会NPO法人化記念公演「おくのほそ道異 聞」のなかで、女優の水谷友子に「演じて」もらった。  そんなこんなで、すっかり完成した気でいたのだが、肝心の収録がまだだっ たことに気づいた。そこで今回、窪田涼子に収録してもらうことにしたのだ。  収録は、岩崎さとことのポエトリー・リーディング収録のときに行なってい るのと同じ方式――つまり、ピアノ演奏とナレーションとの同時収録の方式で 行なった。  窪田涼子には収録ブースに入ってもらい、私はブース外のスタジオ内ピアノ でスタンバイ。ブースは完全密閉式なので、お互い顔が見えない。声と音のみ のコミュニケーションだ。ま、顔が見えたからといってなにかが変わるわけで もないのはわかっているのだ。  今回はリハーサルなしの、一回こっきりの一発どりだった。つまり、テイク ワンのみ。うまくふたりの緊張感と集中がかみあったのと、これまで何度かや ってきた感触が、うまくいった原因だろうと思う。 (みずき・ゆう)